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がんばれ自販機

日本は世界有数の自販機大国だそうです。普及台数こそ米国にトップの座を譲っていますが、人口比では世界一の多さだそうです。そんな自販機ですが、最近減少傾向にあります。(一社)日本自動販売システム機械工業会の調べによると、全国に設置されている飲料自販機の台数は2003年に約261万台だったものが、直近2024年には約220万となっており、この間で約41万台、15%程度もの自販機が姿を消しています。思い返せば、当社が不動産の継続鑑定を行っている物件でも、いつの間にか自販機がなくなっているケースが近年多々見られました。好きなタイミングで飲料が入手できる自販機に、一体何が起こっているのでしょうか。

減少の原因の一つに、人手不足が挙げられます。無人故に一見して手間がかからなそうな自販機ですが、その裏側では商品の補充や売り上げの集金、機械のメンテナンス等、多くの方が働いております。加えて、近年はガソリン価格の高騰を背景に、自販機を巡回するコストが急激に上昇しているそうです。更に、コンビニの普及により自販機の希少性が低下しているほか、ドラッグストアやスーパーとの価格競争に負けているという点も否めません。追い打ちをかけたのがコロナ禍でした。自販機の多くは屋外や商業施設等多くの人が集まる場所に設置されていることから、コロナ禍で外出する人が減ったことで大打撃を受けたそうです。

こうした状況を受け、メーカー各社はスマートフォンアプリと連携したサービスの提供や、菓子・食品・冷凍食品などの「変わり種」の自販機を開発しています。生絞りのオレンジジュースや焼き芋、昆虫食、食品に限らず文具やリップクリームの自販機もあるそうです。炎天下の実地調査でコンビニも何もない道中や、極寒の辺境駅等、筆者は数え切れないほど自販機に救われてきました。自販機の生き残りを願いつつ、その進化を見守りたいです。(祐紀)