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ケーススタディ・4 崖(がけ)地

 崖地を含む土地の評価です。崖地にも様々な状態が考えられるため、今回のケースでは〈図2〉を前提と致します。
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Ⅰ 財産評価基本通達による評価
 財産評価基本通達20-4によれば、上記のような崖地を含む土地の場合、
①土地全体の面積に対する崖地の割合、②崖地の斜面の向きを考慮し、付表8における崖地補正表に基づいて減価率を求めることになります。〈図1〉の評価額(㎡単価)を式で表すと以下の通りとなります。


  路線価   奥行価格補正率※1  奥行長大補正率※2  崖地補正率※3
 200,000円   ×   1.00   ×     1.00    ×       0.78    = 156,000円/㎡

 

※1 普通住宅地区で奥行き10m以上12m未満の奥行価格補正率
※2 〈図1〉では特に該当しないので1.00とした。
※3 崖地の斜面が西向の方位で、崖地面積÷総面積が0.5以上の崖地補正率

 

上記より、標準的な画地条件を前提とした土地に対して約22%の減価率となります。
この崖地を含む土地についても、財産評価基本通達による評価と不動産鑑定評価の場合では、異なる結果となる場合が多いと考えられます。

 

Ⅱ 不動産鑑定士による評価
1 取引事例比較法における減価

 ケーススタディ3の【帯状地の評価】と同様に、鑑定評価手法のうち取引事例比較法を適用して比準価格を試算します。この個別的要因の比較にあたって、「土地価格比準表」(国土交通省 土地・水資源局 地価調査課 監修、地価調査研究会 編著)に基づくと、〈図2〉の土地では次の減価要因が挙げられます。
①崖地部分と平坦宅地部分との関係位置・方位
②崖地の傾斜の状況
 これらの減価要因を具体的に計算する方法としては、【帯状地の評価】と同様にそれぞれの減価要因の相乗積として求める方法があります。減価率を算定すると以下の通りとなります。

 
     傾斜方位の格差率  有効利用の方法の格差率
 〔1    -   (    0.4        ×     0.7      ) 〕   =  0.72(崖地部分の減価率)

 

 0.72    × 〔40㎡(崖地面積)÷80㎡(全体面積)〕=  0.36(対象地全体の減価率)

 

よって、㎡単価は以下の通りとなります。
 200,000円 × (1 - 0.36) = 128,000円/㎡ 

 

 上記の通り、減価率においては財産評価基本通達よりも約14%大きな減価となります。また、個別評価によっては、不動産鑑定士が判断する減価率がさらに大きな減価となることがあります。


 〈図2〉のケースでは、人工地盤を築造しないと容積率を全て消化できない場合もあり、人工地盤の築造費分、もしくは、容積率未消化分を有効利用阻害減価として考慮することあります。さらに、安全上の問題等が生じる場合には、それらを対策するための費用分も減価として考慮する場合もあります。
 ただし、ケーススタディ3の【帯状地の評価】でも触れましたが、標準的な画地の価格が相続税路線価よりも高額な場合、減価率が0.36であっても、総額としては財産評価基本通達による評価額が低くなるケースもありますので、地域の市場動向及び相場、並びに崖地の状態(傾斜の向き、傾斜の度合い、排水の状況、擁壁の有無等)に注視する必要があります。

 

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