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ケーススタディ・7 都市計画道路予定地

 都市計画道路とは、都市計画法により都市の健全な発展と機能的な都市活動を確保するために定められた道路のことです。既存の道路を拡幅したり、市街地の中に道路の計画が定められます。都市計画道路予定地とはこの道路の計画の中に含まれる土地で、将来道路用地として行政に買い取られることになります。 

 都市計画事業は2段階にわたって施工されます、まずここに都市計画道路を作りますという「計画決定」の段階と、実際に道路の工事に着手しますという「事業決定」の段階です。都市計画道路予定の評価で難しいのはこの、「計画決定」の状態が何十年も続くことがあり、さらに「計画決定」の段階で予定地内の建物の建築に制限が設けられることです。

 一般に都市計画道路予定地(この範囲を示すものを計画線といいます)において建物を建築しようとする場合、階数が2階以下(3階以下の場合もあります)で地階を有せず、主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造等で、かつ、容易に移転除却できる建築物であることが建物の許可条件です。よく、幹線道路などで、高層ビルが2ないし3階までを前に突き出して建てられていることがあると思います。そういう場合はだいたい都市計画道路の予定地で、計画線に沿って建築制限が設けられている場合です。つまり、いざ事業決定となったときにはその部分だけは簡単に取り壊して、道路に提供できるようにしてくださいということです。

 都市計画予定地については財産評価基準では補正表が作成されています。ご説明した建築制限、つまり容積率を十分使えないことによる減価(阻害率)を考慮したものですが、残された土地の形状や規模によってはそれを超える減価が生じることもあります。

 


 

Ⅰ 財産評価基本通達による評価

 

 相続税算定のための財産評価基本通達(24-7)によると、「都市計画道路予定地の区域内(都市計画法第4条第6項に規定する都市計画施設のうちの道路の予定地の区域内をいう。)となる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちの都市計画道路予定地の区域内となる部分が都市計画道路予定地の区域内となる部分でないものとした場合の価額に、次表の地区区分、容積率、地積割合の別に応じて定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する。」と定められています。

 

 補正率表は以下の通りです。 

001.GIF

 

<具体的評価方法>

 下のような都市計画道路予定があります。これを財産評価基準に基づいて評価すると以下のようになります。 

002-2.GIF

 

 つまりこの補正率表に従えば、たとえば普通商業地区で容積率が300%以上400%未満に指定された土地で道路予定地の全体土地面積に対する割合が30%未満の場合補正率は0.94ですので、ABも一律に補正率0.94、つまり6%の減価とされます。

 


 

Ⅱ 不動産鑑定士による評価

 

<取引事例比較法による減価の査定>

 財産評価基準では道路予定地の阻害率について減価率を査定しますが、道路予定地Bのように敷地の中心に道路の計画線が引かれるケースでは、道路予定地外(残地)の形状や規模によって生じる減価に注目します。たとえば残地の形状が著しく不整形になってしまうケースや、Bのように分割されてしまうケースなどは、比準価格が低くなる場合があります。

 

<収益還元法による減価率の査定>

 収益還元法は土地上に建物を想定してそこから得られる家賃収入から土地の価値(収益価格)を判定する手法です。したがって、どのような建物が建築できるのか、そしてその建物からどれほどの家賃が得られるのかが土地の価値を決めることになります。都市計画道路予定地には建築制限がありますので、予定地Bの場合には建物の中心がへこんだ建物しか建築できません。一般に床面積の大きい建物ほど使い勝手が良いので高い家賃が得られます。また建物自体の建築コストや維持管理費なども割安になります。

 したがって予定地ABでは建物から得られる家賃収入も建築に要するコストや維持管理費も違ってくる可能性があり、残地の利用効率による減価率が異なることになります。

 

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