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住宅と環境⑤

「住宅と環境」をテーマに、第5回は中澤がお届けいたします。
 
突然ですが、少し固く、日本において不動産とは、土地とその定着物をいいいまして、また不動産はその属する地域 にあって、同一地域内の他の不動産とともに地域性を共有するものであります。「エコ住宅」って、個々の建物について議論されることが多いですが、やはり土 地の上の有形的利用としてのエコ住宅、地域性を反映したエコ住宅、あるいはエコ住宅の集中により作り出されるであろう新しい地域性、といったような部分 に、「不動産」鑑定士としては興味が及ぶところです。
 
さて、今回は環境省による「21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」(「エコハウスモデル事 業」)について少しご紹介したいと思います。当事業は、環境省のインセンティブを受け、応募の中で選ばれた全国20の自治体が、それぞれの地域の気候風土 や特色を生かしたエコハウスの実現と普及に取り組むというものです。


このモデル事業を通して、環境省は、
i)地域の気候風土や特色、敷地特性に根ざしたエコハウスとはどういうものかを、地域の人々が考え、建て、体験することで、エコハウスの新たな需要が生み出される。
ii)エコハウスが永く地域の人々に受け入れられるよう、住まい手に負担をかけない、快適なエコハウスをつくる。
iii)エコハウスに地域の技術や材料が活かされることで、地域が活性化する。
といった成果が期待される、としています。
 
なるほど、地域性を考慮し、また地域性を創出することに主眼を置いているとみられる本事業は、前段の私の興味関心からすれば、的を得ているものと評価できます。
このような官主導の取り組みもまだ始まったばかりですが、このような事業が進展していく中で、対象地域の地価水準の推移や、モデル事業地間のエコ住宅需要の高低など、今後10年のスパンでのモニタリングを通して学ぶところは多いでしょう。
 
ちなみに選定された20の自治体は、いずれも地方圏にあり、また政令市もほとんど含まれていない点は興味深いと ころです。そもそも自然環境において優位性の高い地方部です。補助金によるハコモノとしてのエコ住宅整備が、逆に自然環境の破壊につながる、なんてケース は想像したくないものですね。

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