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耐震・環境不動産形成促進事業

日本ヴァリュアーズ東京本社の水口です。

 舛添新東京都知事が「老朽化が進んでいる首都高速道路の大規模改修については、東京五輪が行われる20年を目標に進めるべきだとの認識を明らかにした」との記事が出ていました。首都高速道路も当然ながら、東京を中心に日本のインフラは老朽化が進んでいます。しかも日本の構造物比率は約25%で、諸外国の210倍とのことです。課題先進国といわれる日本ですが、構造物の老朽化対策という課題についても先進的に取り組む必要があるようです。

 

さて昨年の12月の話ですが、トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱が、政府の緊急経済対策の一環として一般社団法人環境不動産普及促進機構(Re-Seed機構)が運営する耐震・環境不動産形成促進事業において、第1号案件のファンド・マネージャーに選定され、対象物件の取得を完了したという記事が出ていました。

この「耐震・環境不動産形成促進事業」は不動産再生官民ファンドであり、「老朽・低未利用不動産について、国が民間投資の呼び水となるリスクマネーを供給することにより、民間の資金やノウハウを活用して、耐震・環境性能を有する良質な不動産の形成(改修・建替え・開発事業)を促進し、地域の再生・活性化に資するまちづくり及び地球温暖化対策を推進する。」というものです。平成24年度補正予算で国土交通省300億円、環境省50億円、計350億円の予算が付いています。

対象事業としては、次ののいずれかの事業となります。

耐震改修事業

次のいずれかの環境性能を満たすことが見込まれる改修、建替え又は開発事業

建物全体におけるエネルギー消費量が、事業の前と比較して概ね15%以上削減

CASBEE Aランク以上であること

対象事業者はSPC(TMKGKREITなど)であるため、通常の不動産証券化と同じです。

 

ここのところ、アベノミクス効果や東京オリンピック招致決定の効果などにより、不動産業界にはフォローの風が吹いています。そのような中、不動産業者やJ-REIT・私募REIT・私募ファンド運用会社などは物件の取得を積極的に進めています。ところが「購入したいが、物件が無い」という話を良く耳にします。物件が無いというのは、正確には「投資基準に合致した物件が希少である」ということであり、日本中の不動産がほぼ売り切れているということではありません。

首都圏には3万棟を超えるオフィスビルストックがありますが、そのうち3分の1以上(1万棟以上)が旧耐震構造のビルであるとのことです。旧耐震構造のビルは金融機関等から融資を受けるのが難しいため、投資基準から漏れることが多いです。そこでこの「耐震・環境不動産形成促進事業」を積極的に活用すれば、首都圏で1万棟以上あると言われる旧耐震構造のビルを投資先に含めることが可能となり、大幅な市場拡大が見込まれます。国土交通省は同事業の予算350億円を全て活用すれば、投資総額としては1,000億円を超える規模になると試算しています。

また、当事業の環境対応の側面も非常に重要です。耐震改修によりビルの寿命が延び、新築ビルについても環境に配慮されたものとなるため、トータル的なエネルギーの節約が期待されます。

 

今後の同事業拡大を期待するとともに、組み入れられる不動産のようないわゆる「環境配慮型不動産」の鑑定評価を適切に行える体制の維持に努めたいと思います。

 

 

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