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農業の未来と鑑定評価

日本ヴァリュアーズ東京本社の高嶋です。

 

先日、新聞で面白い記事を見かけました。

大手不動産会社の東急不動産が、作物を栽培せずに放置されている農地(耕作放棄地)の再生事業に乗り出すというものです。第一弾として、千葉県で過去に宅地用(開発素地)として取得した未開発農地などを3年かけて再整備し、作物を栽培できる状態に戻してから、地元の農業生産法人に譲渡するというものです。地方では地場の不動産会社がこういった事業に取り組む例は見られましたが、今回大手企業が参入したことで、農地再生と活用に取り組む企業が増えてくることが予想されます。農業従事者の高齢化、担い手不足により全国に約40万ヘクタールもの耕作放棄地があるということを考えると、こうした取り組みが浸透し、遊休農地の活用が活発になることを期待したいものです。

鑑定評価の仕事をしていると、このような開発素地を評価する場面が少なからずあります。これまでは「農地を転用して宅地にする」という評価手法が一般的でした。しかし、宅地開発用地としては全くの不採算の土地でも、日照、気候、土壌、地盤の状態などから判断すると、田んぼや畑、果樹園など農地として利用した方が収益性の面で高い効用を得られる土地もあるでしょう。このような農地の再生事業が一般的なものとして浸透すれば、最有効使用が「農地」で、宅地から農地に転用するいわゆる“農地見込地”として鑑定評価をするケースが増えてくるかもしれません。土壌の再生にどのくらいの期間と費用がかかるのか、どんな作物を栽培したらいいのか、利回りはどのくらいなのか・・・皆目見当がつきませんが、農地を開発型DCF法で評価する日も来るかもしれませんね。

 

農業も品種改良や生産技術の向上で、昔よりも反収や生産能力が上がっています。また、業務効率化を図るため、クラウドコンピューティングシステムを活用した先端農業を実践する農家(農業生産法人)も現れ、農業にもIT化の波が押し寄せています。ここ数年、米の食味ランキングで北海道のブランド米「ゆめぴりか」と「ななつぼし」が特Aを獲得していますが、日本で北海道産の米がトップブランドになることは正直想像ができないことでした。それだけ生産技術が進化しているということなのだと思います。

 

最後になりますが、東日本大震災が発生して3年が経過しました。

現在でも建築資材と人件費の高騰で思うように復興が進んでいない状況が続いています。

3年が経過して気が付くことは、同じ被災地でも復興のスピードに相当の格差があること・・・。

宮城県仙台市は2015年度末で復興事業完了を予定しているのに対し、原発問題や高台移転か否かで、まちづくりに対する住民の合意形成も満足に図られていない自治体もあります。

復興にはまだまだ時間といろんな面での支援が必要なのだと思います。

スーパーで食料品を買う時は、被災地で生産された野菜や加工品を買う、出張やプライベートで被災地を訪ねた際には地元にお金を落とす・・・など、自分にできる“プチ支援”を今は続けていきたいと思います。

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北海道上川郡美瑛町「青池」

 

 

 

 

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