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不動産と環境⑫

不動産と環境」というテーマで、第12回は中澤がお届けいたします。
今回は初心に立ち戻り、「不動産評価と環境」について、環境不動産の評価手法
の構築に向けた世界の動向を俯瞰してみたいと思います。
「バンクーバー・アコード」は、2007年3月、カナダ、バンクーバーにおいて、
鑑定士が環境価値に係る評価手法を体系的に整理していくことを目 的とした合
意で、2010年のGLOBE2010イベントでその成果を発表することを謳うものでし
た。もちろん、日々状況は変化しておりますし、 一義的な評価手法の確立が必
ずしも可能ではないことは予想できたことですが、アコードにおいては2010年に
おける「“Full Report”の発表」という表現で、その時間的な決意が感じられた
内容でした。
一時期はこの「バンクーバー・アコード」が日本の鑑定士にとっても耳にすると
ころが多く、その結果たる発表には期待するところが大きかったのです が、受
身の情報収集の限りでは、2010年になり、特に何も聞こえてこないまま。あっと
いう間にもう8月、「そういえば、GLOBE2010って もう終わったんじゃないか
な?」と、思い出して調べてみますと、3月に成功裏に行われたようでした(っ
て、もう半年近く前でしたね。。。)。 「あー、うっかりしていたよ」と、あわ
ててあるはずの“Full Report”を一生懸命に探してみますが、見つかりません。
ウェブサイト全体をなめるように見回せた訳ではありませんが、プログラムに次
のような記載を 見つけました。「2007年3月に20カ国の代表が合意したバンクー
バー・アコードは、“Sustainability”と“Value”がどう いった関係にあるかとい
うことについて、より理解を深め、研鑽を積んでいこうというものでした。追加
的な議題として、今大会では下記○○のような いくつかの講演企画を用意してお
ります」。と、テーマ別のセッションがいくつか催されたようですが、「グロー
バルに統一的な鑑定評価手法の確立」 を目指したアコードではなかった?と、
事実上のペンディングを感じざるを得ませんでした。
上記については今後のさらなる展開に期待しつつ、今回のメインはもうひとつ、
ヨーロッパで別の展開があったことをご紹介いたします。
“Immovalue”というプロジェクトが、民間ベースで行われていました。というと
唐突ですが、KPMGのオーストリア支社が中心となり、欧 州委員会がメインサ
ポート、RICSその他評価団体が協賛したプロジェクトでして、「エネルギー効率
の問題と(建物の)ライフサイクルコストの問 題を統合し、これを評価基準に適
用することを目的とする」という、バンクーバー・アコードより、より具体的な
エイムを掲げたプロジェクトです。そ して「第一段階として、プロジェクト
チームは期間内に評価の新手法を開発し、第二段階ではこの手法のテスティング
リサーチ、そして最終段階では確 立された手法をマーケットにおいて認知させ
ていく」という、興味深いものです。このプロジェクト期間は2008年9月から
2010年4月まで、と いうことで、現在プロジェクトは終了しています。そして、
プロジェクトの成果(Deliverables)というかたちで、サイト上に複数のレ ポー
トの掲載があります。
いずれのレポートも非常にボリュームがあり、大きくはテーマである「環境ラベ
リング」と「ライフサイクルコスト」の視座を統一的に評価に反映する 作業を
映し出したものですが、リサーチメソッド、既往研究、不動産評価と環境といっ
た点の網羅性が高く、しっかりと読みたいな、と決意した次第で す。
このほか、直近では5月のClima 2010(トルコ開催)のワークショップ資料に至る
まで、活動期間内の多くのプレゼン資料や研究発表をウェブで公開しており、読
み応え十分です。
是非一度、Immovalueプロジェクトのウェブサイトをご覧頂ければと思います。
http://www.immovalue.org/index.html

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