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不動産と環境⑬

河合です。
以下のような記事がありました。

「▼不動産取引に登場するPALとERR http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20100827/543054/ 立地や賃料、利便性、耐震性はほぼ同じだが、環境性能が大きく異なる二つのビル があったとしたら、テナントはどちらを選ぶだろうか。答は明らかだ。テナントや 投資家から「ところで、このビルのPALとERRはどれくらいですか」と聞かれる日が、 来るかもしれない。」

補足したいのは、ERRそのものは原則、建物で消費される全エネルギーを対象としていますが、
現行の省エネ法では空調、換気、照明、給湯、昇降機の5設備についてのみ評価対象のため、
(それ以外の設備の評価基準がまだ整っていない!)現状では、この5設備についての性能基準
指標のCEC値というのを使って表記されているケースがほとんどです。これは対象となる各設備
ごとに判断基準となる係数(1.0とか1.5とか)があって、それとの比較で省エネ性を判断するので、
取り扱いがしやすいわけ。 ちなみに先月、私も実査させてもらった渋谷道玄坂上の某ビルは、PAL値298PALMJ/m2・年で、
事務所ビルなどの判断基準値300PALMJ/m2・年に比べるとPAL低減率0.67%と何とか標準
レベルを保っている程度でした。都ではPAL低減率25%以上を「最も優れた取り組み」としている
ので、こういうビルは根本的に環境対応型ではない。それからCEC値は、 空調1.30(判断基準値1.50) 換気0.35(判断基準値1.00) 照明0.80(判断基準値1.00) 給湯 ―(判断基準値1.50)*該当設備なし(電温は対象外) EV 0.65(判断基準値1.00) と、計画書に記載されており、空調を除いてはかなりの低減努力が認められました。
単体の機械設備は普通出回っているものでも省エネ面では相当進化してますから当然ですが。
(皆さん、省エネ計画書はこういうとこを見るように。) つまりこのビルは、建築計画面では、屋上緑化とかlow-eのペアガラスとか結構省エネ要素はある
んだけど、多分太陽光が強く入る南および西方向にガラス面が多く(遮光庇やブラインドまで付いて
いるんだけど)今の空調設備では熱負荷をギリギリしか抑えられないんでしょう。窓際(ぺリメーター
ゾーン)に別の冷暖房系統もついているにもかかわらず、空調CECの低減率が標準的な範囲に収ま
っているのは、空調設備をもっとヘビーにしないととても冷暖房効果が出てこないんだけど、費用が
掛けられなかったのか、逆にCEC値側を低減できなくなってしまうかのどちらかだったんでしょう。そ
の範囲で、建築工事側でPAL値を何とか納め込まなきゃいけない、という設計の葛藤が見えてくるわ
けですね。つまりこの建物は経済設計をしてるんだけど、省エネ面では敷地形状、方位から見て、三
方を総ガラス張りした選択に根本的な問題があったのではないか、ということです。中で働く人たちは、
「あのビルは暑い」と思っているはずです。 もちろん、ガラス張りというデザインが、ビルのイメージを決め、家賃にも相当影響したと思われますが、
今後もし都が、このビルは省エネの努力不足という烙印を押したらどうやってリニューアルを考えるの
か。設備のほうは、空調を除いて今のままでも全然問題ありません。換気は所々に自然換気窓を設け
て、排煙装置をつけないようにしてましたから(機械排煙装置を付けた方がプランニングなどやりやす
いんですが、換気CEC値はぐんと上がってしまう!)こっちもこのままでオーケー。直すとしたら、遮
熱型の外装材を張ったり、断熱材を倍の厚さにしたり、ガラス面を減らすといった建築的方法しかなさ
そうです。大ごとでしょ?でも多分この手の改修は今後10年くらいの間にもっと問題になるはずです
から、評価についても影響はじわじわと出てくると思われます。 とまあこう偉そうなことを書いてる私でも、実際に見ていたときは、いろいろ努力してるなあ、もしかした
らCASBEEのB+~Aぐら行くかもなあとは思っていましたが、まあ下限のほうなんでしょう。熱や空気
の気持は女心同様なかなか読み取れないもんです。 akinosora.jpg

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