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環境配慮型オフィスビルと不動産評価

日本ヴァリュアーズ・東京本社の山本です。

オタクの聖地として有名なJR中野駅周辺(東京都)が大きく変貌しつつあることをご存じでしょうか?

そのきっかけとなるのがJR中野駅至近の警察学校跡地(16.8ha)で進められ、病院、大学、公共施設、商業ビル、マンション、公園などが整備される予定の大規模再開発です。

今回取り上げるのは上記再開発のうち店舗付オフィス2棟、住宅1棟からなる複合商業施設である(仮称)中野駅前開発プロジェクトです。約1,500坪と日本最大規模を誇る基準階面積や最新鋭の設備を有するほか、Low-e複層ガラス、高効率照明、太陽光発電などを採用しCASBEESランクを取得している環境性能の高いオフィスビルです。

中でも注目したいのは敷地面積の約40%が緑化されるほか、上記再開発で都市計画公園(1.5ha)が当該プロジェクトの目の前に整備されることで、緑豊かな空間が出現することです。さながらニューヨークのセントラルパークとは少し言い過ぎかも知れませんが、都心部至近にあってこのオフィス環境は希少性が高く、このような立地環境を好む外資系企業やIT企業などに選好される可能性が高いと言えます。

都市公園が土地価格などに優位な影響を与える場合があることについては既にいくつかの研究報告で指摘されていますし、企業がテナントとして環境配慮型オフィスビルへ入居する場合にランニングコスト削減分程度の賃料上乗せを許容するというアンケート調査結果があるなど、環境性能が不動産価格に何らかの影響をもたらす、あるいは今後もたらす可能性は高いと考えられます。

しかし、我々不動産鑑定士が環境性能の高さを環境付加価値として認識し、最終的にそれを価格として表示するためには、現状でいくつかの課題があると思われ、我々不動産鑑定士が解決すべき部分と市場の変化に期待する部分の両面があると思われます。

いずれにせよ、環境重視のトレンドは今後も継続していくことは間違いないですし、不動産鑑定士の側でも環境配慮型不動産が市場においてメインストリームとなった場合に備えた準備を今からする必要があると考えます。

この点、月刊不動産鑑定20115月号から計4回に渡り、当社の取り組みをご紹介していく予定でおりますので、ぜひそちらの方をご覧いただければ幸いです。

 

(仮称)中野駅前開発プロジェクト」概要はこちら>>

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