03-3556-1702(東京)
052-950-2771(名古屋)

私はValuerです。

日本ヴァリュアーズ・東京本社の中澤です。

我々不動産鑑定士の英語公称は、Real Estate Appraiser (Certifiedとか、Licensedとかいう接頭句はどうでも良いとします)。Appraiser をValuerというケースもだいぶ増えてきました。
一般の人に、「不動産鑑定士は何の専門家か?」という問いかけをしたら、感覚的には9割以上の方々が「不動産の専門家でしょ」と答えるに決まっていると思います。不動産は個別性が大きいことや、日本特有の法務や税務の問題が難しいことなどから、専門的知識をもってこれを生業とする専門家が必要で、高額に及ぶ取引価格や賃料の取扱いなどに、指標たり得る「目線」を提供し、云々、、、というのが、不動産の専門家たる自分を喧伝する常套句であります。
不動産は本当に奥深いし、難しい。私もこの業界に入り、10年目に入りましたが、知識、経験の不足を痛感する案件に出くわすことが多く、またここ5年程度の間のマーケットに身を置くと、過去に経験したような案件が全く別の角度から見えてきたりもして、ますます自信を失うこともあります。

こんな自分にあめ玉を与えるような気もしますが、鑑定士はValuerでありまして、そう、我々は価値(Value)を判断する専門家なのでして、評価(Valuation)に関するスペシャリストである、という点に重点を置くと、また違ったモチベーションが沸いてくるものです。
不動産鑑定士資格を目指した頃は、明らかに不動産の専門家資格として臨んでいたわけでして、日本ヴァリュアーズ(旧ヒロリー)に入社しなければ、Valuerとしての今の自分のモチベーションはなかっただろうなーと思い、イソベ・チルドレンで良かった!と思う今日この頃。日頃他業界の友人には、マンションや土地購入の相談や、相続対策、相隣関係、家賃など、不動産の相談や質問を多く受けますが、「いや、俺ヴァリュエーションが本業で、不動産はよく分からないのよ・・」と、まずはヘッジしてみるというくだらないジョークも言えるようになりました。
また、公私ともに外国人と接する機会も多いのですが、彼らはValuer/Valuationという業界に馴染みがあり、不動産がメインのValuerなのね、という言い方をされると、「お、わかってんじゃん」と思ってちょっと嬉しくなったりします。

と、前置きが長くなりましたが、どうしてエコブログにこんな雑感か、といいますと、環境に係わる様々な側面を評価するために、評価の専門家としての地位を日本で唯一国に付与されている不動産鑑定士が、その担い手となるために、不動産の専門家としての知識や経験や自覚をゼロベースで脇におきつつ、評価の専門家として、不動産以外のあらゆるアイテムに、評価技術をどのように応用していくのか、もっと真剣に考えて行きたいと思うからであります。
「環境不動産の評価」(Valuation of Green Building)だけじゃなくて、もっといろいろあるでしょう。CO2排出権のように、●●権と名の付くものは全て評価対象たり得ますし、あるいは「サステイナビリティ」といったような概念も価値化が可能であるように思います。業界的にも、かねてより「鑑定業務の領域拡大」はテーマ中のテーマではありますが、あえて言いたいのは、不動産の専門家としての立ち位置によらない、真の「評価の専門家」としての地位構築です。

グローバル評価基準としてRICSのRedBookというものがあります。
最新の2014年版が発行され、年内には日本語訳版が出版されるようです。
原文を読んでみますと、6章にタイプ別、ケース別の評価各論が記載されているのですが、「不動産の評価」と銘打たれた各論はありません!ちょっと例にあげてみますと、VPGA3「ビジネス・企業価値の評価」、VPGA6「無形資産の評価」、VPGA7「美術品・骨董品を含む動産の評価」などなど。。評価の考え方や手法が体系的かつコンパクトに収録されています。それぞれ、より詳細な内容に係る解説書や事例集があり、またそれを専門領域とする先人がいる。その一方で、「評価の専門家」として、対象が何であれ、横に貫かれた考え方やモラル、ものの見方がある、ということです。
鑑定士資格の将来性に、評価を軸にした独占的なマーケットがあるとすれば、そこを目指すべきだと思っています。

 

Related Posts

Sorry, the comment form is closed at this time.