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コラム「新駅ができるには」

駅のデータベースサイトによると、関東地方において過去3年の間に開業した駅は4駅でした。そのうち、鉄道会社が主導して開設した駅はJR山手線「高輪ゲートウェイ」駅のみであり、残りの3駅は、地域住民や自治体、企業等の要望により開設される駅、所謂「請願駅」でした。

新駅の開業により鉄道事業者が得ると考えられる利益は、乗客増による収入増です。しかし、駅間距離が短い場合には、隣接駅から新駅に利用者が移るだけとなり、乗客の大幅な増加は見込めません。また、駅数が増えることによる所要時間の増加や、駅停車の為の電力消費量の増加等、新駅の開設によって、鉄道事業者には一定のデメリットが生じます。この為、新駅開設による採算が確実に見込める場合以外、鉄道会社は駅開設の費用負担を拒否する傾向にあります。従って、請願駅の開設予算は主に自治体または企業の負担となり、第一にその予算が組めるかどうかが高いハードルとなります。ひたちなか海浜鉄道「美乃浜学園」駅は、国と茨城県、ひたちなか市が1/3ずつ駅整備費用の負担をしました。これは、周辺地区の小中学校5校が統合となり、新たな学校が開校したことによります。小中学生の通学利便性向上は自治体等が予算を組む理由として妥当性が高く、更に、鉄道事業者としては定期券利用者による収益増が見込めます。また、東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅は、その開設費用の大半を駅直結となる森ビルが負担し、東武東上線「みなみ寄居」駅は、駅の目の前に工場が存するホンダが全額費用負担しました。いずれも自社にとって、大幅な利便性の向上となります。

実は、現状駅徒歩約20分強である筆者の自宅近くにも、新駅の計画があることを最近知りました。実現すれば、なんと駅徒歩5分となりますが、請願理由は地域住民の増加だけであり、予算を拠出してくれそうな企業も今のところ見当たらないので、道のりは長そうです。(祐紀)

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