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コラム「郊外エリアの分水嶺」

あんなに普及が難しいと言われていたテレワークですが、新型コロナウイルス禍においてあっさりと常態になってしまいました。筆者の周囲においては、会社までの通勤時間のみならず、残業時間まで減ったという声が聞こえています。

テレワークの恒常化により通勤の必要がなくなれば、ゆったりとした家屋面積の確保が可能な郊外の街に住居を構える人が増え、結果的に郊外の地価上昇に繋がるのではないかと予測されています。世間一般に郊外と呼ばれているエリアにおいて、顕著な土地価格の上昇はまだ見られていませんが、東京都の2020年8月の人口が8年ぶりに減少に転じる等、郊外における住宅需要は確実に高まっているようです。

「これまでの所沢はベッドタウンだったが、今後はリビングタウンに変わる」。これは、西武線所沢駅の商業施設開業式典で述べられた言葉です。眠る為だけに帰る場所から、住み暮らす場所へ変わるという概念は、街として極めて健全な姿であると、そう思いました。日本の郊外においては、固有の地域性の消滅、いわゆる「ファスト風土化」が警鐘されて久しいですが、そこに住む大半の人々がその場所を眠る為だけの場所と捉えていれば、街に対する興味や愛着は薄れ、その結果、生活利便性だけが追及されたチェーン店ばかりの景色となってしまうのも、仕様がないことだと思います。テレワークにより「ベッドタウン」が「リビングタウン」に変われば、居住する人々の意識も変わり、街の固有性の回復、ひいては、長年の主要課題であった地方創生への大きな追い風となるのではなないかと、期待が高まります。

今後郊外への人口流出が新たな潮流として定着するのか、それとも一過性の事象に終わってしまうのか。郊外エリアは、今まさに、大きな転機を迎えているのではないでしょうか。(祐紀)

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