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コラム「離島の海を守りたい」

私の直属の上司は不動産鑑定評価の仕事関連で、少なくとも半年に一度は南国の離島へと赴いています。綺麗な海を目の当たりにするとざばざば入って泳がずにはいられないというアクティブな上司ですが、ある日とても寂しそうに、「海岸に流れ着いているごみの量が年々増えている。島の子供たちがごみ拾いの活動を続けているが、とても追いつかない」と嘆いていました。その言葉ではじめて、マイクロプラスチック等の話題で近年耳にすることが多くなった海洋ごみ問題が、身近な問題であると気づかされました。

海洋ごみとは、海岸に打ち上げられた「漂着ごみ」、海面や海中を漂う「漂流ごみ」、そして海底に積もった「海底ごみ」の総称を指します。その内訳として最も多いのが、食品の容器や包装袋等のプラスチック類となっています。海洋ごみの大半は、海上で棄てられたものではなく、日々陸上で棄てられているごみです。街で棄てられたごみが水路や川に流れ出し、海へと流れ着きます。環境省の調べによると、世界では毎年少なくとも800万トンものプラスチックごみが海に流出しているそうです。海洋ごみは一度海に流れ込むと広範囲に広がり、回収が難しくなります。中でもプラスチック製品は、自然界での分解が困難なことから、半永久的に環境中に残ってしまい、海洋環境や生物・生態系への影響の大きさが懸念されています。

「どんなに拾っても海が荒れたらまた海洋ごみが打ち上がる繰り返しの中で、活動のゴールが見えない」という内容のインタビュー記事を目にしました。現状のペースで未来へ向かえば、2050年には魚よりプラスチックごみの量が多い海になることが予測されています。海洋ゴミは、回収だけではゼロにはなりません。街で暮らす私たちの一つ一つの行いが、遠く離れた海での問題に直結しているという意識を持つことが、まずは解決への第一歩だと思います。(祐紀)

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