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コラム【新年のご挨拶】

新年明けましておめでとうございます。私事で恐縮ですが、昨年末、何故だか無性に宿坊なるものを体験したくなり、無理矢理に友人を誘って、駅からバスで1時間、民家もまばらな山寺へと行って参りました。夕暮れの山道、既に帰りたいなどと思いつつ、不安で一杯な我々を迎え入れてくださったご住職が開口一番仰った一言は、「みんな、もうボーナス出た?」でした。

着いた途端に40分の座禅です。座禅と言えばIT長者や著名なスポーツ選手等、所謂世の成功した方々が好んでされていると耳にしておりましたので、座禅をすると何かいいことがあるのだろうと漠然と取り組みましたが、結跏趺坐(けっかふざ)という座禅特有の足の組み方が難しく、頭の中はとにかく節々の痛みから逃れたい一心であり、一秒も無心にはなれませんでした。座禅が終わると説法で、その後、仏教の作法に則って精進料理を頂き、20時には就寝しました。ご住職曰く、しっかりと眠り体を休めるということも、修行の一環なのだそうです。とても寒く、暗く、音のない夜でした。朝は日の出前から再び座禅、それから朝食、写経をして、解散です。

数字や物質や慌ただしさが氾濫する環境から隔絶された生活は、何もかもが非常に明瞭で、しかしながら下山をした途端に友人とお疲れ様の乾杯をしてしまった私は、どうしようもなく俗人であり、この騒がしい社会で懸命に生きるしかないのだとしみじみ実感しました。

その場では気づきませんでしたが、ふとした瞬間にあの山寺での静かな光景を思い出すと、自然と心が平穏になるのが不思議です。平成最後の年末年始でありましたが、変わらず穏やかなお正月を迎えられたということは何物にも代えがたい幸運であると感謝を覚えるとともに、皆様のご多幸とご健勝を祈念致しまして、新年のご挨拶に代えさせて頂きます。昨年は大変お世話になりました。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。 (祐紀)

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