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コラム【都市の景色が変わるということ】

物体として創出されたものは刻一刻と廃れゆくのが自然の摂理であり、世の中は絶えず変わり続けます。我々は色々な変化に対応しながら存在しており、それは、都市の景観を形成している建物等も同様です。国税庁による減価償却資産の耐用年数をみると、建物の通常の効用持続年数は、SRCオフィスビルで50年、マンションならば47年とされています。修繕により長く維持する事は理論上可能ではありますが、特に日本の建物は欧米に比べて耐用年数が短く、年々増大するメンテナンス費を払い続けるよりも、取り壊して再建築した方が費用対効果は高いという傾向にあるようです。老朽化だけでなく、敷地と建物との間で不適合が生じてしまった場合等も、取り壊しの要件と成り得ます。例えば、容積率の変更や、交通環境の変化等です。

こうした内外の変化を受け入れ、エリア一体で時代に対応しようという試みが、大規模再開発です。いわば街の心機一転、それまでの景色が一変することもしばしばです。そして私は、基本的には大規模再開発が好きです。無秩序な状態が美しく整備され、整然と生まれ変わった街並みは、清々しいと同時に未来への期待に溢れている気がして、いささか高揚します。

絶景か否かにかかわらず、どんな景色にも誰かの思い出は付随しているのだと思います。変わらないで欲しい場所は、誰にでもあるのではないでしょうか。しかし、我々が歳を重ねるのと同じ年月だけ都市も歳を重ね続けているという事実を顧みれば、景観の変化も受け入れざるを得ない気持ちになります。「今日の価格は昨日の展開であり、明日を反映するものであって、常に変化の過程にあるものである」。これは、不動産鑑定評価基準の中にある一節です。不動産価格に限らずあらゆる事象に当て嵌まる気がして、何度読んでもグッときます。現代における諸行無常の響き、それは、ビルの解体音。なんて、ちょっと気取ってみました。(祐紀)

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