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コラム【電車の窓から移ろう季節と街を眺める】

何かと嫌厭されがちな梅雨が個人的に好ましく感じるのは、もこもことした可愛らしい紫陽花が、街のそこかしこを可憐に飾る時節だからです。特に王子の飛鳥山公園は見事で、水色、紫、菫、藍、白、色だけでなく、形状も様々な約1,300株もの紫陽花が、梅雨の訪れと共に線路沿いを彩ります。そのどことなく清楚な花は、燦々とした陽の下よりも、雨粒が飛散してやや白んだ景色の中に溶け込んでいる方が不思議と美しく、雨天の朝であっても、通勤途中に眺める紫陽花の姿がふと頭によぎり、雨に濡れる煩わしさが僅かばかり緩和されるような気がします。

コンクリートに舗装された地面ばかりの都心では、季節感などビル群の中に埋没してしまって見る影もないようなイメージがありますが、四季折々の情景は意外と至る所に在って、春には随所で咲き乱れる桜が、秋には街路樹の紅葉が、夏にはビアガーデン(←これはちょっと違いますか…?)が、それぞれに新しい季節の到来を実感させてくれます。それらは都会の乾いた風景の中にあるからこそより瑞々しく、鮮やかさが際立ち、目にする人々の心を惹きつけます。

言うまでもなく、このように希少な場所は、概ね都市計画で護られています。前述の飛鳥山公園の周辺は、高さ制限が導入されていました。恐らく、樹々の日照を確保するためですね。

四季のある国は世界に多々あれど、それぞれの季節が等分されたサイクルで巡る国は、なかなか珍しいそうです。季節と文化の生成とは関係性が深く、日本は明確に四季が感じられる風土だからこそ、多彩な文化が育まれたと考えられています。風物詩という言葉で浮かぶ様々な情景や、俳句の季語等、古くから我々は、季節の移り変わりを楽しんできたのですね。

来るべき夏の風物詩といえば大好きなスイカですが、秋には自然に食指が伸びなくなります。その時々にきちんと旬の食べ物を食べて育った環境を、改めてありがたく思います。(祐紀)

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