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コラム「ONE TEAM なゴミ拾いで街創り in Yangon」

2019年秋の日本は「ONE TEAM(ワンチーム)」で大いに盛り上がった。バックグラウンドがいかに異なっていても、チームとして一つの共通の目標を掲げ、そのための周到な準備と努力を重ねれば、自ずと大きな力が発揮されることが実証された。もちろん、そこに連なった選手達が、日本を代表するラガーマンだったからだといえばそれまでではあるが。それにしても、ラブビー・ファンをあそこまで増やして日本中を包んだあの興奮は、冷めた空気の漂う日本では久しぶりの出来事だっただろう。

話しはガラッと変わるが、筆者が日常的に滞在しているミャンマーの首都ヤンゴンの市民にとって最大の問題は、交通渋滞、ゴミ収集、大気汚染、排水問題、そして複雑な土地保有形態だと言われている(昨年4月、ヤンゴン市高官の選挙に際して大学とNGOが主催した市民集会で明らかに)。交通渋滞と大気汚染は、大量公共交通手段が未発達で自家用車依存度が高い中、排ガス規制の甘い旧モデルが街中を走り回っていることや、急速な人口集中や工業化などから、公害対策基本法が制定された1967年以前の日本と同じようにスモッグは日々高濃度だ。また、乾期・雨期のはっきりしているモンスーン大国にもかかわらず、排水設備の未整備や老朽化などから、雨期の短時間スコールで市内各所に水が溢れるのは日常茶飯事だ。土地保有制度に関しては、基本的に土地は国が所有し個人や企業は借地するのだが、不完全な登記制度、境界の不明確、借地期間の長短、売買可能性の程度、担保としての提供可否など、いずれもはっきりしない(私の不理解というだけではなさそうだ)のだから、経済活動全般にとって大きな支障となる訳だ。

そしてゴミ問題だ。30年以上前からヤンゴンでビジネスを展開している日本人の知人によれば、「ゴミが街中に溢れるようになってきたのは10年ほど前から」とのこと。人口集中と経済成長で、生ゴミ・紙ゴミを始めプラスチックやビン・カン・ペットボトル・金属などの生活ゴミが急増してきている。焼却場建設の計画はあるものの、現状は郊外の廃棄場に投棄されており、市民の中には庭先や道路で焼却して、それが大気汚染の一因にもなっている。分別の発想や仕組みもないまますべて一緒に収集されるゴミの塊は、街中の至る所で手仕事による再分別が行われるのだ。それよりも何よりも、街中にゴミ箱がほとんどなく、さりげなく平気で道路に捨てる人も絶えないため、ゴミ一つない道路を探す方が難しいほどだ。そんな中、日本を始め各国の有志や地元市民(とりわけ若いヤンゴン市民)が始めたゴミ拾い活動「Clean Yangon Green Yangon」が定期的な市民活動として定着しつつあるようだ。街の価値を高め、街に人を呼び、何よりも市民が快適に暮らすために、ONE TEAMができつつあるということだろうか。基本的なインフラや公共サービスは行政が提供して市民はそれを享受する、というシステムが確立されていないだけに、プラスを考える前にマイナスを除去することからまずは始めるという、街おこしのある種の原点が見えるような気がする。人々が自分で街の価値を作り上げる。かつての日本を彷彿させると思うのは私だけだろうか。

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