6月下旬、投資用不動産の調査でマレーシアへ出張する機会がありました。経済発展の著しいマレーシアですが、2015年も4%台後半のGDP成長率を維持しています。一人あたりGDPはシンガポールを除いた東南アジアで最も高い10,803ドル(2014年)で、この水準はタイの約2倍、インドネシアの約3倍となっています。
もっとも日本との比較では決して高い水準とは言えず、約3,000万人の人口は周辺諸国と比べても小規模です。ただし、今回訪れた首都クアラルンプール(KL)には超高層ビルが林立し、高級ホテルや世界的ブランドが入居する商業施設、高層マンションなどが密集する大都市で、現在も大型の不動産開発が多数進行しています。
一大消費地としても注目度が高く、東南アジア有数の大都市KLを擁するマレーシアですが、経済成長の反面、通貨リンギット安や依存度の大きい中国経済の減速など不安定要素も抱えています。そうした面からも、従来型産業の構造転換や一層の国際化による海外資本導入などの必要性が指摘されています。
従来は製造業を中心とした日本企業の進出も多く見られていましたが、直近では日本ブランドのアウトレットモールの開業や、大型ショッピングセンターの供給などサービス業の進出も続いています。インフラ整備が進んでいることや、マレー語の他に英語や中国語も広く使われていること、治安や気候のよさといった相対的な暮らしやすさもあり、サービス業を中心とした外国企業による投資・開発は今後も拡大することが予想されます。(小室)
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