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コラム[土地について改めて考える]

概ねこの社会において、土地の価値は超過利潤で決まるそうです。土地は主に建物に利用されることによりその価値を発揮し、建物の投下資本を回収したあとに生じる利益、即ち超過利潤が、土地の価値と見なされます。超過利潤が多ければその土地の価値は高く、超過利潤が少ない、それどころか建物の資本すら回収できないようならば、その土地の価値は残念ながら低いということです。また、土地には固定資産税が課されています。つまり、保有しているというそれだけで、刻一刻と失費しているのです。固定資産税の課税根拠としては、不動産を保有することによって得る地域行政サービスへの対価や、資産の所有に担税力を見出す等の理由が挙げられていますが、個人的に興味深いと思った見解は、固定資産税が課されることにより保有コスト以上の利潤を発生させる必要に迫られ、当該ストレスは土地を手放すという意欲に作用するため、結果土地の流動性が高まるというものです。なるほど。固定資産税がなければ、土地が市場になかなか出回らないといった事態も発生し得るわけですね。

言うまでもなく、土地の価値を高めたければ土地の超過利潤を最大限に発生させるような建物を建てる必要があるのですが、土地は不動であり、不増であり、一つとして同じものはありません。故に、その上に建てるべき建物も土地ごとに異なります。また、時には建物を建てずに超過利潤を発生させるケースや、個人の思い入れが超過利潤を凌駕するケースも少なからずあると思います。このように、土地の価値は極めて潜在的であり、顕在化させるのが困難です。しかしながら、どのように利用すればその土地の効用が最高度に発揮できるのかということを思考する作業が、私はとても好きです。以前、「ポテンシャルが発揮できていない土地を見ると悲しくなる」といった発言をしたら、友人にきょとんとされました。(祐紀)

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