03-3556-1702(東京)
052-950-2771(名古屋)

コラム[都市農地政策の転換]

昨年4月に成立した都市農業振興基本法に基づき、先月下旬、農林水産省と国土交通省により都市農業振興基本計画案が公表されました。これにより、「宅地化すべきもの」と扱われていた都市農地は「あるべきもの」として保全が図られる対象となり、従来からの都市農地政策が転換されることとなります。

人口減少による宅地需要の減退や、コミュニティ・スペース、防災用地としての農地のあり方が注目され、また、農産物生産高のおよそ1割が都市農地産という重要度からも、今回の政策転換は時代の要請に適ったものといえます。

一方で、従来から農地への宅地並み課税によって都市農地は減少を続けてきたため、今後、都市農地が計画的に保全されるためには、課税上の減免等優遇措置がどの程度行われるのかといった問題から避けて通れません。

また、国の基本計画を受けて実際の運用を行うこととなる地方自治体にも大きな役割が期待されます。担い手の育成や市民農園等の確保といったハード面での整備とともに、直売や地産地消の仕組みを含めた多様な流通形態による安定した農業経営をサポートするソフト面での整備も必要となります。

以上の様な課題も指摘されているものの、都市農地の充実は都市生活者にとって農業を身近に感じ、食や農産物の生産過程に関心を持つ機会の拡大につながり、地域共生や多様性のある街づくりに貢献することが期待できるものと考えます。(小室)

Related Posts

Sorry, the comment form is closed at this time.