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コラム[都市農家さんの気持ち]

先日、(一財)都市農地支援センター主催の定期講演会に参加させて頂きました。当日講師をされていた安藤光義教授のお話がとても興味深かったので、ご紹介させて頂きます。

何より印象的だったのは、市街化区域内農地を多く保有している農家の方々、いわゆる都市農家さんは、その殆どが農業収入ではなく、不動産所得で生活されているということです。安藤教授は都市農家さんの行動原理について、「家屋敷地を維持し、農業所得の不足を補えるだけの賃貸用不動産を確保できれば、それ以外の農地については相続発生時などいざという時に売却できるよう、可能な限り開発せずに残す」と仰っています。都市部で農地を保有し続ける理由、それは、農業への情熱に他ならない。そう思い込んでいた私にとって、これはとても衝撃的でした。しかしその実情を伺ってみれば、納得のいく話ではあります。農地の集約が困難な都市部では、農業生産活動の場は小規模農地になりがちであり、農業収入のみでは生活が成り立ちません。故に、農地の一部を転用して、不動産所得に頼らざるを得ないのです。また、来るべき相続の際、農地については相続税猶予を受けたとしても、広大な家屋敷地に加えて賃貸用不動産も所有している為、相続税を払いきるには農地を処分せざるを得ないのです。つまりは、「相続税支払いの為の売却換金用更地の確保」がとても重要であり、相続の度にそれらが売却されることから、農地が縮小され、農業収益は更に減り、農業収入だけでの生活が益々困難となってしまうのです。都市部が故に農業に集中できない。そんな複雑な事情が都市農家さんにあるなんて、全くもって思い及びませんでした。

叔父が東北で代々続く果樹園を営んでおり、幸いにして農業収入だけで生活が成り立っています。農業愛が強く、稀に「樹々の声が聞こえる」そうです。本当でしょうか…。(祐紀)

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