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コラム[2016年地価公示に見る地価の多極化]

3月22日、2016年1月1日時点の地価公示が公表されました。全国の全用途平均は0.1%上昇となり、リーマンショック以降で初めて、8年ぶりの上昇となりました。

三大都市圏を中心に大都市圏で軒並み上昇が見られ、中でもインバウンド需要を見込んだホテル立地に適した地域や、新幹線開通など再開発による影響を受けた地域での大幅な上昇が顕著となっています。

また、東京・銀座ではバブル期の水準を超えて史上最高値となった地点もあるものの、その後の投資ファンド等が取得する事例では、地価公示価格を大きく上回る水準での売買が見られるなど、都心部での実勢価格の変動が急激になっています。

一方で、東京でも郊外の住宅地の変動率は昨年よりも下落傾向が強まっており、都心部からの波及効果は表れていません。地価の二極化といった表現は、バブル崩壊以降使われて久しいですが、現在の状況は多極化とでも例えるべきか、リーマンショック前のファンドバブル期に見られたような都心から郊外へ拡散し、さらに地方圏にも地価上昇が及んでいった状況とは異なる動向を示しています。

新しく供給される都心の商業施設はどれもインバウンド需要を意識した店舗構成となり、利便性の高いエリアにはホテル建設が相次いでいます。一部の大都市の、さらに特定のエリアの中で投資と消費が高まる一方、観光や流通と縁の無い郊外では空き家対策や人口減少等の諸問題を抱えながら不動産需要が弱含んでいくなど、現在の我が国が直面する構造が如実に表れた地価動向となっています。(小室)

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