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シニアハウスブログ 第1回

日本ヴァリュアーズ東京本社の小川です。

 

昨年から今年にかけて、投資対象としてヘルスケア施設が大変注目を集めています。我々も不動産の鑑定機関として、クライアントから多くのお問い合わせを受け、研究を進め、徐々にではありますが何らかの成果物も整い始め、さらなる追求を行うために専門チームを編成することとなりました。そして、今後の研究・調査の成果やトピック等を、このブログでアップしていこうと考えております。

さて、ヘルスケアと言っても病院から高齢者住宅まで幅広く、なにか掴みづらい印象が拭えません。そこで我々は、当面の研究・調査の対象を絞ることにし、今後J-REITで上場する等、投資対象の主流は、いわゆるシニアハウス(主にサービス付高齢者住宅、有料老人ホーム、グループホーム)と呼ばれる種類の施設になるものと予測されますので、まずは、シニアハウスを極めていきたいと考えております。

話は変わりますが、私の父は今年78歳になりますが、10年前から一人暮らしをしていたところ、昨年の春から少し様子が変わったことに気がつきはじめました。

話の内容が矛盾していたり、無気力な感じになっていたり、食事も気が向いたときにしか取らないようで、そもそも、買い物にもあまり行っている様子がありませんでした。私は普段、3カ月に一度くらいしか実家に顔を出さなかったのですが、週一回、食料品を買い込んで実家に通うようになりました。

また、自治体ではホームヘルパー的な援助を行っていて、買物支援、家事支援等のサービスがあり、これを利用しようと考えました。しかし問い合わせると介護認定(要支援も含む)を取らないとこれらのサービスを利用できないことが分かりました。

その後、様々なハプニング等がありつつも、やっと介護認定も取れ、今後の対策を兄妹で相談致しましたが、父は痴呆が進み既に一人暮らしが厳しい状態であり、私も妹も父と同居して介護できる状態ではなかったため、介護付き有料老人ホームにお世話になることに決めました。

正直に申しますと、実の父を他人任せにするような感覚で、後ろめたい気持ちがどうしてもついてまわり、また、知人の一部からも、同居して介護しないのかと忠告されたりもしましたが、我々兄妹、それぞれに事情があって、このような結論に至りました。

方針が決まり、数々の会社からパンフレットを取り寄せ、興味があるところの現地を見学したり、父に体験入所してもらったりして、現在は実家と同じ市内にある某大手介護付き有料老人ホームに落ち着きました。

大手を中心に様々な施設を見て回りましたが、総じて施設は清潔で、働いている方々の雰囲気も良く、どこに任せても遜色ない印象ではありましたが、入居する側には予算もありますので、まず予算で諦めてしまった施設もございました。

しかし、同様な予算で入居できる施設であっても、サービスの種類や質、従業員の質や雰囲気、運営会社の質、規模、方針、施設の広さや印象、食事の質や料金等を数社比較しながら細かく見ていきますと、その運営会社や施設独自の特色を持っていること等が分かってくることもございます。

今後、我々がシニアハウスを評価する場合、運営会社のクレジットをどう判断するか、どのような基準でそのクレジットと利回りをリンクさせていくべきか、まだまだ研究の余地が多くあると言えます。また、実際の収支を分析し、GOP(グロス・オペレーション・プロフィット)が優れていても、単に人件費を圧縮し、人材のレベルが低い場合も考えられるため、多面的な分析が必要になるものと考えられます。

既に、シニアハウスはファンド等で証券化され、評価も行われておりますが、まだまだ研究途上である点は否定できないものであり、我々もその状況を素直に認めつつも、走りながら評価レベルを上げていく所存でございます。

余談ですが、私の父は施設に入ってから健康状態も良くなり、また、いつも施設の方が見守ってくれている安心感により、私の精神状態も良くなって参りました。弊社では私以外でも親御さんが同様の施設に入所している者もおり、周辺でも急激に身近になってきていると同時に、社会的に既に無くてはならない存在であることを強く感じる次第です。

これから我々は専門チームとしてシニアハウスブログをアップしていきますが、少しでも有用な情報をご提供できるよう、精進していきたいと思います。

 

 

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