日本ヴァリュアーズ東京本社の田口です。
11月5日、日本初のヘルスケア特化型投資法人が上場しました。上場前から運用していた8件に加え、上場時に6件が追加され計14物件、133億円弱の資産規模です。
3年で1,000億円を目指す方針であることから、今後も取得は続き、施設数は100件程度に達するものと予想されます。オフィス・商業・物流等とは異なり、1件当たりの価格が小さいため、資産規模拡大には相応の件数が必要となります。
地域別特性 (三大都市圏と中核都市部)
三大都市圏と中核都市部で件数は半々ですが、三大都市圏に規模の大きな施設が多く、居室数比率で71%、鑑定評価額比率で73%を三大都市圏の物件が占めています。また、平均還元利回り、割引率は以下の通りであり、0.4~0.5%ほど三大都市圏の方が低くなっています。
築年数と賃貸借契約期間
総じて築年数は浅く、築10年以内が13/14件、全体平均で約6.5年であり、当面は築年数で他の施設に劣ることはなさそうです。また、賃貸借契約期間の残存年数については、全件10年超で且つ20年超も5件含まれており、契約満了が迫っている物件も見られません。
[参考]
最後に、J-REITで保有中(一部売却済物件含む)のヘルスケア施設をまとめたものがこちら。
上記は5投資法人が保有し、1投資法人が保有していた計17施設です。ヒューリックリート、スターツプロシード、大和ハウス・レジデンシャルが取得した物件は2014年に売買されたもので、他は2013年以前の取引ですが、いずれも直近の鑑定採用還元利回り・割引率を記載しています。
平均値で見ると還元利回りは0.3%、割引率は0.1%ほど、日本ヘルスケア投資法人保有物件の方が低くなっています。
6投資法人の物件は全施設が三大都市圏にあり、一般的には利回り水準は低位になりやすいですが、築年数が30年近く経過した物件も含まれており、建物の物理的状態等からは利回り水準が高位になりやすい物件が含まれています。また、利回りトレンドとしては還元利回り、割引率共に低下傾向と言えるでしょう。
日本ヘルスケア投資法人の上場で、現在のJ-REITヘルスケア施設数は2倍近くに増大しました。今後も国内外でヘルスケア特化型投資法人の上場等が計画されており、暫くは拡大傾向で推移していく見込みです。
Sorry, the comment form is closed at this time.