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シニアハウスブログ 第4回 有料老人ホームと介護報酬

日本ヴァリュアーズ東京本社の高嶋です。 

有料老人ホームとは老人福祉法に規定された高齢者向けの生活施設であり、「介護付」、「住宅型」、「健康型」の3つのタイプに分類されます。件数としては住宅型が最も多く、次いで介護付が多く、健康型はほとんど見られない状況となっています。 

 

以下のグラフは、開設年度別の老人ホーム件数及び定員数をまとめたものです。 

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これによると、2005年頃までは介護付き有料老人ホームの開設が年々増加していましたが、それ以降は住宅型有料老人ホームの増加が著しいことがわかります。 

2006年頃から介護付き有料老人ホームの総量規制が始まり、介護付きではなく住宅型の開設が進んだものと考えられます。この総量規制が厳しくなった背景の一つは、介護保険制度の発足直後から低価格の介護付き有料老人ホームが急増し、要支援、要介護1程度の軽度要介護高齢者が数多く入居したからと言われています。 

 

また、以下は現在の要支援・要介護認定を受けている人の割合を表したものです。 

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これによると要介護1、要介護2の割合が多く、要介護度が重くなるにしたがって、割合が減少する傾向にあります。要介護度の重い人が増加すれば、それに比例して介護報酬も増加することになりますから、国の財政を圧迫する要因になります。反面、介護事業者側からみれば介護報酬の増加により事業収入は増加することになりますが、それに見合うサービスを提供する必要があるため、純利益という面からみれば介護事業者にとってメリットがあるかどうかは疑問です。 

 

介護報酬に関しては、厚生労働省が介護事業に成果報酬を導入する制度の創設を検討しているようです。高齢化の進展で介護給付費は2025年度には現在の倍の約20兆円に増える見込みであり、成果報酬型にすることで要介護度の改善を促し、介護給付費の抑制につなげる狙いがあるようで、2018年度から評価の高い事業者ほど報酬を多く受け取れる仕組みになる予定です。既に国内でも滋賀県や品川区では要介護度の改善に貢献した事業者に助成金を支給しているようですし、介護事業者の選別並びに淘汰が進み、質の高いサービスが提供できる事業者が増えてくることが期待されます。鑑定評価においても、老人ホームやサ高住を評価する場合には、今まで以上にオペレーターの分析・評価が重要になってくるものと思われます。 

 

最後に、私事ですが、今年の2月に伯母が他界しました。伯母ではありますが、実家で私の両親と一緒に暮らしていて、両親が共働きだったこともあり、私がまだ実家にいたころは母親代わりのような存在でした。昨年の春に転んで腰の骨を折ってしまい、他の病とも重なってしまったのも原因で、要介護認定を受け、実家のある市の某介護老人保健施設に入所しました。元々はリハビリをして通常の生活に復帰することを目指していたのですが、本人の気持ちと体力の問題もあり、その願いが叶うことはありませんでした。これまでは家族が介護の必要な状況になることはあまり想像もしていませんでしたが、介護というものがすごく身近なものになっていることに気づかされるとともに、今後高齢者が増加する中で、介護施設の果たす役割の重要さを改めて感じました。


 

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