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マイホーム新築のリスク

 東京本社の小川です。

 

 皆様はマイホーム(戸建)を新築する際に発生するリスクとはどのようなものかお考えになったことがあるでしょうか。これからお話しするのは、私が昨年に戸建住宅を新築した際には考えもしなかったリスクが、今現実のものとなっているというご紹介です。

 

私は仕事として日常的に不動産のリスクプレミアムを把握して利回りを査定しております。最も重視するのは周辺における同種同規模不動産の利回り事例ですが、リスクプレミアムの各項目を積み上げて利回りを査定する方式(積上方式)も併用します。

マイホーム(戸建)で賃貸に出さない不動産を前提とした利回りは、積上方式では、
①金利動向リスク、

②建物減価・滅失、災害、土壌汚染リスク、

③市場性減退等の流動性リスク、

に大まかに分類され、それぞれのリスクプレミアムを加算して利回りを把握します。賃貸に出さない戸建住宅なのに利回りってちょっと変ですが、利回りは様々なリスクを考慮して、損しないように決めるものとお考え頂ければいいと思います。

ともかく、投資用不動産でもないので、戸建住宅を新築する場合は、主に金利変動リスクや建物滅失・減耗・陳腐化・瑕疵の可能性、地盤や土壌汚染等を気にすることになります。

私は長期のローンを組んでおり、現状の金利水準が低いことから変動金利で借り入れをしている関係上、長期金利動向が一番気になります。変動金利は当初金利が低いものの、ローン期間中におけるリスクプレミアムが固定金利よりも高いので、結局のところ変動も固定も同じくらいのリスクプレミアムになるのかなと自分では感じております。

リスク対策として次に考慮した点は、築年数経過による修繕費予想や、火災や地震に備えて保険に入った程度です。それから、建物建築中に施工会社が倒産すると怖いので、完成保証の保険にも入りました。

しかし、一般の方よりも不動産のリスクについて考えることが多い私にも予想できなかったことが、新築後数カ月のうちに起こったのです。

 

まず最初の誤算は、東日本大震災時の福島第一原発の事故によって、我が家が所在する街が放射能汚染のホットスポットエリアに入ってしまったことでした。私には子供はなく、ただちに健康を害する恐れはないので特に移住しなくとも大丈夫なんだと思っておりますが(事実は不明ですが)、実際、震災前までは毎年人口も増加し、区画整理も進行し、これからの発展を予想していた街なので、今後の地域の動向がどうなってしまうか大変気になります。

 

もう一つの誤算は、建築を依頼した輸入住宅会社が自己破産したことです。これには大変驚きました。そもそも私が依頼した会社は従業員10人くらいの小さな会社でしたので、倒産リスクは高めではあったのですが、竣工後ちょうど一年で倒産とは思ってもみませんでした。
家をつくるとき、契約時、着工時、上棟時、引き渡し時と数回に分けてお金を入金するやり方で結構手堅いなと思っていましたし、プラン図等の作成にセンスがあり、小さいながらも引き合いが多く、現場の方々も大忙しって感じでした。まさか、こんなに早く会社がなくなってしまうとは・・・・

 

このような例はレアケースで、運が悪かったと思うしかないのかもしれません。しかし、放射能の汚染は全く予測できないものでしたが、施工会社の倒産については、ある程度は予測できた事象でした。だからこそ建築中には完成保証保険に入りましたし、担当の営業マンにも「大丈夫だよね?」と何回か聞いたこともありましたが、いざ倒産と聞くとやはりショックを隠しきれないでいます。それに、もし建築が一年遅かったら、建築途中で倒産なんていう悲惨なことになっていたかもしれません。

これは会社選びの際に、私がデザインやコンセプトばかりに目が行って、財務状態のチェックを怠ったことが否めず、深く反省すべき点であると認識しています。

一方、予測できなかった放射能の汚染についてですが、散々諸要因を熟慮して選んだ土地でしたのでちょっとやりきれない思いです。もちろん被災した方に比べれば目に見える被害は無いのですが、某電力会社さんから、せめてお詫びの言葉くらい頂いてもいいよねって思います。

ともかく、鑑定士という立場でありながらもマイホーム新築のリスクも把握しきれずに恥ずかしく思いますが、不測の事態が起こりうるというのが不動産のリスクの一つなんだと改めて思った次第です。

 

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