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Royal Institution of Chartered Surveyors (RICS)  の紹介と日本における今後の展開④(最終回)

 

日本ヴァリュアーズ株式会社 代表取締役・不動産鑑定士 磯部裕幸

CRE(米国)FRICS(英国)

(RICS Japanワーキング・グループ、メンバー) 

 

 

前回までの内容

>>その①

>>その②

>>その③

 

5. RICS会員になるには

  RICSが認定した大学のコースで、学位を取得し、12年の実務研修を受けた後に、レポート、面接、テストというのが、RICS会員になるためのもっとも一般的な方法である。世界中約300の大学にRICS認定コースが設けられており、将来の専門分野を学生時代に決めた若者達に門戸が開かれている。RICS認定コースのある主な大学は以下の通りである。

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 大学で教鞭をとる研究者に開かれているのがAcademic RouteSenior Professional Routeは、組織や業界の中で主要な立場にある経験豊富な専門家が申請できるルートで、日本でもこの方法でRICS会員になった方もいる。

 

Adaptation Routeは、RICSと提携をしている団体に属す専門家などで一定の条件を満たす場合に会員資格を与えるものである。

 Adaptation Routeは、世界中の各種専門家団体とRICSが提携をし、それら団体の会員に対してRICS会員となる道を開くものである。主な提携先は次の通りだが、斜体になっている団体の会員には、研修、レポート提出、面接などの手続きなしにDirectRICS会員になる道が開かれている。私は1988年から米国のCRE会員だったので、このルートでRICSの会員となった。昨今は米国-AIの会員になる方が増加しており、このルートからのエントリーも増えてきている。

 なお現時点では、中国を除くすべての国で英語によるコミュニケーションが条件となっているために、日本の方がRICS会員に申請するハードルが高いということは否めない。しかし、不動産証券化協会がRICSとの業務提携に向けて具体的な調整に入ったり、日本不動産鑑定協会がその意思を表明したり、明海大学不動産学部がRICS認定コースにむけて前向きな検討を開始するなど、各方面で動きが出てき来ており、コトバの問題は今後変わっていく可能性もある。

 rics4-3.GIF

 

 

6. RICS Japanワーキンググループについて

 中国に2位の座を譲ったとはいえ、日本は依然として世界の経済大国である。震災や原発という大きな問題が短期的に横たわっているのは事実だが、世界の中で重要な投資市場の一翼を担っていることには変わりはない。その意味でも、RICSのプレゼンスがこれまで日本になかったことの方が不自然である。

 

 そんな中、日本におけるRICS会員の拡充、しかるべき専門家団体との提携関係の推進、教育機関との連携などを推進していくために、RICS Japanワーキンググループ (RICS-JWG)を立ち上げた。私を含め、6名のメンバーで構成されているが、専従スタッフもオフィスもない小規模かつボランタリーなスタートである。香港のRICS Asia事務局との緊密な連携の下にできれば数年後の支部開設を目指して活動していく予定である。

 

 RICSの専門分野はもともと不動産系からスタートしているが、既述の通り現在では非常に広範囲に及んでいる。組織のトップも、従来は不動産系出身者がほとんであったが、今年のRICSグローバルの会長はコンストラクション/プロジェクト・マネージメントを専門としている。マレーシア出身で、RICS史上初のアジア出身会長である。成長著しいアジアがRICSにとって重要であることはもちろんだが、その中で日本の果たすべき役割も徐々に顕在化していくと考えている。

 

 一方RICSは、royal charterの重要な責務として社会貢献や、政策提言などに積極的に取り組んでいるが、毎年約500本ものレポートやリサーチを発信しているのはその一例である。多方面の専門家が一堂に会している組織だからこそできる総合的な活動に向けて一歩を踏み出したことを報告すると共に、ご支援ご協力をお願いしたいと思う。

 

(参考文献: RICS発行各種データ-一部筆者が修正した部分あり)

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